クリサンテムム・シネンセ

読んだ本のこと、観た映画のこと、日々のことなど。

ぬいぐるみとカーシェアリングとコンバージョンと時速100キロと年収

いつのまにか私もちゃんと大人になっているので、「決められた時間に」「自分で地図を参照しながら不動産屋に出向き」「自分の希望を自分の言葉で伝え」「自分の収入に見合う部屋を選び」「世間話のひとつもしながら部屋に向かい」「内覧を経て住むべき部屋を決定する」ことができる。

船は横方向に離岸するので見送りの際は一歩下がった方がいい

圧倒的な自分の心に対する正直さ、抗えないほどのつよい衝動、そうあるべきという感情的な納得。どこを切り取っても、それ以外の「答え」などないように思うほどの確信。パラレルワールドの否定。

きっと全部合っているので、安心して間違いたい。

自分の身体をはるかに凌駕するサイズの自意識

巨大過ぎる自意識を持て余した学生時代のことをふとした瞬間に思い出すといたたまれなくなるが、その頃の「正義感」を抱えたまま大人になったがために、"誠実であること"を今でも踏み外さずに済んでいるのかもしれない。

スクールカーストという言葉はよく言われるけれど、当然私の身にも起こった出来事で、カースト制度そのものを超越できるほど輝ける人間ではなかった。

見た目が特別かわいいわけでなく、スタイルがよいわけでもなく、運動はまるでだめで、描く絵は凡庸、歌もうまくなくて。勉強ができたことと、かわいいお洋服を着ていたことだけが、なんとか子供の世界で生きていける理由だったように思う。人間はそう簡単には変われないということがよくわかる。